ガイド
AI と一緒に書くということ
AI を使って文章を書く、と聞いて身構える方は多いと思います。自分の書いたものではなくなってしまうのではないか。事実でないことを勝手に書かれてしまうのではないか。そもそも、AI と一緒に書くというのが何をすることなのか、想像がつかない。
このページは、そうした引っかかりに一つずつ答えていきます。AI に書かせる話ではありません。書くのは最後まで書き手で、AI は書かれたものを読む側に回る。そういう道具として Core を作っています。なぜその形なのかを、順に説明します。どの節も、ここだけで話が完結します。関心のある見出しから読んでください。
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「書かせる」と「編集させる」
AI で小説を書いたという話と、AI に原稿を見てもらったという話は、どちらも「AI を使った」という一言でまとめられます。けれど中身は別のことです。星新一賞では受賞作4作のうち3作に生成 AI が使われていたことが明らかになり、同じ頃、『東京都同情塔』で芥川賞を受賞した九段理江は ChatGPT を「別の編集者」と呼びました。前者は書く行為そのものを渡すこと、後者は書いたものを読んでもらうことです。
ソフトウェア開発の世界では、この区別がすでに済んでいます。開発者が毎日使っている AI は、コードを代わりに書いてくれる相手というより、既存のコードを読んで一緒に直す相手です。文章を書く人の手元には、まだ後者にあたる道具がほとんどありません。
原稿を全部読む AI がいても、書くのは書き手です。物語をどこへ運ぶか、どの一文を残すかを決めるのは、これからも人間のままです。読む AI が変えるのはそこではなく、相談相手の質のほうです。
Core が作ろうとしているのは、書く人を置き換える AI ではなく、書かれたものを読む AI です。
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貼る AI と、読みに行く AI
ChatGPT に長い原稿を相談したことがあれば、この作業に覚えがあるはずです。原稿をコピーして貼り、返ってきた指摘をもとに直し、また貼り直す。日を改めて相談するときは、また最初から貼って、作品の前提を説明し直す。
これは使い方が下手なのではありません。書き手が原稿を貼る側に回っている、というソフトウェアの仕組みの問題です。チャットの AI は、こちらが渡したものしか見られません。渡さなかった章のことは知らないまま答えます。
原稿を読みに行く AI では、この手順が消えます。相談したい内容をそのまま書けば、AI が必要な章を自分で開いて読みます。コピーと貼り付けが要らなくなるという話に見えて、実際に変わるのは返ってくる答えの質のほうです。作品を知らない相手の一般論と、作品を読んだ相手の指摘は、別のものになります。
作品について事実でないことを言われるのではないか、という不安もあると思います。ハルシネーションと呼ばれる、AI がもっともらしい誤りを返す現象です。原稿を読みに行く形にすると、この心配は小さくなります。三章について尋ねたときに参照されるのは、書き手が実際に書いた三章の文面だからです。ただし、史実や専門知識のような作品の外側の事実については話が別で、そこは従来どおり裏取りが要ります。
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作品全体を読む AI の費用と速度
作品を丸ごと読みに行くなら、当然の代償があるはずです。AI に一度に渡せる分量には上限があり、渡す量が増えるほど返事は遅く、費用も高くなります。素朴に作れば、十万字の長編を相手にした時点で使いものになりません。
Core がこれを成り立たせているのは、モデルに全文を渡していないからです。ふだん渡しているのは作品の要約で、全文が必要になった章だけを、AI がその都度取りに行きます。長編の整合性を一度で尋ねられることと、待ち時間と費用が現実的な範囲に収まることは、本来なら両立しません。両立させるための設計がこの部分にあたります。
小説を例に書いていますが、論文でも、ノンフィクションでも仕組みは同じです。
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日本語の縦書きという条件
日本語で書く人にとっては、AI の性能とは別に、もう一つ条件が乗ります。縦組みのまま書けるかどうかです。
海外の有力な執筆ツールは英語を前提に作られているため、縦書きに対応していません。日本語の縦書き環境を選ぶとなると、選択肢は国内のソフトに絞られます。そのうえで見るべき点は三つあり、編集画面を縦組みにしたまま書けるか、組版として整うか、本や電子書籍として書き出せるか、それぞれ得意な範囲が違います。ただ縦書きで気持ちよく書きたいのか、同人誌まで仕上げたいのかで、選ぶべき道具は変わります。
Core は縦組みのまま長編を章立てで書き進める用途に向けて作っています。
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AI が書いたかどうかの証明
「自分で書いた文章なのに、AI が書いたものだと判定されて困った」という声をよく見かけます。学校の課題で、応募書類で、身に覚えのない疑いをかけられる。
こうした話は「AI かどうかを見分ける精度をどう上げるか」に向かいがちですが、完成した原稿だけを見て人間か AI かを当てるやり方には原理的な限界があります。文章として仕上がったものからは、それがどう書かれたかを復元できません。
Core は、書き上がった文章を判定するのではなく、書いている過程そのものを記録して残す方向で、この問題に取り組んでいます。後から真偽を推測する代わりに、書いていたという記録を最初から持っておく、という考え方です。
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この道具が作られた理由
ここまでの話は、もともと自分の不満から始まっています。
プログラミングでは、Claude Code のようなツールが自分でファイルを読み、コードベース全体を理解して動きます。その便利さを知ったあとで、小説の執筆にチャットの AI を使うと、どうしても物足りなくなりました。こちらが説明した範囲でしか話が通じず、作品のことを何も知らない相手と毎回はじめから話している感覚が残ります。
原稿を自分で読みに行き、作品の全体像を把握したうえで一緒に考えてくれる編集者としての AI が欲しい。売れそうだから作ったのではなく、自分が使いたかったので作りました。Core は個人で開発しています。
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ほかの執筆ツールとの違い
文章を書くアプリに AI が入っていること自体は、もう珍しくありません。Word にも Notion にも AI があります。違うのは AI の関わり方で、横に汎用のチャットが付くだけのもの、プロンプトから本文を生成するもの、作品全体を読んで相談に乗るもの、という三つの型に分かれます。
Core は三つ目にあたります。この型を選んだ理由が、ここまでの1節から3節までの内容です。
個別のツールとの比較は、それぞれのページにまとめてあります。