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縦書きエディタ比較2026(Mac用)|縦書きで書く・整える・本にする7本
縦書き対応のMacの執筆エディタ7本(縦式・TATEditor・egword Universal 2・mi・Pages・Word・Core)を、縦組みのまま書ける編集体験・組版・書き出しの3点で比較。ただ縦書きで書きたい人から、同人誌や電子書籍まで仕上げたい人まで、用途別に選べます。
縦書きで書きたい、という気持ちには幅があります。ただ縦組みのまま気持ちよく書きたい人もいれば、書いたものを同人誌や電子書籍の形まで持っていきたい人もいます。この記事は、Mac で使える縦書きエディタ7本を「書く・整える・出す」の3点で並べます。
取り上げる7本は、いずれも編集画面を縦組みにしたまま書けます。差が出るのは、縦組みでの書き心地、縦中横やルビ・原稿用紙といった組版、PDF・EPUB・投稿サイト記法といった書き出しの幅です。まず気持ちよく書きたいだけの人は前半を、本の形まで仕上げたい人は後半に注目して読んでください。
早見表
| ツール | 組版 | 書き出し | プラットフォーム | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 縦式 | ○ 青空文庫形式(ルビ・傍点・縦中横) | PDF(多彩な判型)・青空文庫 | iOS / Mac | 無料+IAP |
| egword Universal 2 | ◎ 書籍級の組版・原稿用紙 | PDF・Word・RTF | Mac(直販+App Store) | ¥8,000 買切 |
| TATEditor | ○ ルビ・青空文庫形式 | 縦書きPDF・青空文庫 | Win / Mac / Linux / iOS / Android | 無料 |
| mi | △ ページ番号表示 | テキスト中心 | Mac | 無料 |
| Apple Pages | ○ グループルビ・縦中横 | PDF・Word・EPUB | Mac / iOS / iPadOS | 無料 |
| Word + Copilot | ○ 標準 | Word・PDF | Win / Mac / Web | M365 サブスク |
| Core | ◎ 縦中横・ルビ・傍点・原稿用紙・禁則 | PDF・Word・EPUB・投稿サイト記法 | Mac(iOS 開発中) | ¥1,200/月〜 |
縦式
iPhone でも Mac でも書ける、身軽な縦書きエディタです。青空文庫形式でルビ・傍点・縦中横・見出し・改ページを扱えます。書き出しは PDF が充実しており、A4 原稿用紙から新書判、中綴じの折本、挿絵を入れたページまで幅広い判型に対応します。青空文庫形式のテキストでも出力できるので、まず手元で縦書きをさっと書きたい人にも、同人誌の本づくりまで一気通貫でやりたい人にも向きます。料金は無料で、広告除去や装飾線の追加が App 内課金です。
- 向く人:iPhone で気軽に縦書きを始めたい人。同人誌として組んで出したい人
- 弱点:macOS 版は iOS の延長で、長編のプロジェクト管理機能は弱め
TATEditor
Windows・Mac・Ubuntu・iOS・Android の5環境で動く、対応プラットフォームの広さが際立つエディタです。青空文庫形式のルビ・傍点・縦中横に対応し、書き出しは縦書き PDF と青空文庫形式のテキストが中心です。Google・Apple・Microsoft のいずれかのアカウントでログインすれば、iOS・Android・ブラウザ間で原稿を同期できます。料金は無料です。ただしデスクトップ版(macOS は2020年以降)は長く更新が止まっており、現在活発に更新されているのはモバイル版です。
- 向く人:複数の OS をまたいで同じ原稿を縦書きで触りたい人。無料で使いたい人
- 弱点:UI は機能美寄りで、デスクトップ版の更新は事実上止まっている
egword Universal 2
物書堂が手がける、日本語ワープロの老舗です。縦中横、句読点のぶら下がり、原稿用紙モードを備え、独自の統一レイアウトエンジンで本文・表・図形・ヘッダーまで同じ品質で組めます。日本語の組版品質では、この記事の中で最高水準です。料金は8,000円の買い切りです。
書き出しは PDF のほか Word・RTF・テキストに対応し、清書したワープロ文書をそのまま渡せます。機能開発は組版まわりに固定されていますが、macOS の新バージョンへの追随は続いており(最新は2026年6月の 2.3.2)、Mac App Store でも入手できます。
- 向く人:書籍級の組版で清書・入稿したい人。買い切りで長く使いたい人
- 弱点:高価。執筆の過程を支える機能(構造管理・推敲・批評)は薄く、AI もありません
mi
Mac で長く使われてきた無料の日本語テキストエディタです。v3 以降で縦書きの表示・編集に対応し、ページ番号の表示も加わりました。2025年5月の v3.8.7 では生成 AI 連携とシナリオ・脚本用モードが追加されています。
ただしこの AI 連携は、選択したテキストをブラウザの ChatGPT に送るだけで、アプリの中で原稿全体を踏まえて応答する作りではありません。テキストエディタなので、書き出しはプレーンテキストが中心になります。
- 向く人:無料で、縦書きのテキストエディタを軽く使いたい Mac ユーザー
- 弱点:UI はプログラマー寄り。ストーリーの構造管理機能はありません
Apple Pages
Mac に最初から入っている純正ワープロです。縦書きに対応しており、縦書き用のテンプレート、グループルビ、縦中横、回転英数字を扱えます。無料で印刷物まで作れる手軽さが魅力です。macOS の Writing Tools(Apple Intelligence)も使えますが、縦書きと組み合わせて最適化されているわけではありません。
書き出しは PDF・Word(.docx)・EPUB・プレーンテキストに対応し、電子書籍まで純正ソフトだけで作れます。縦書きを使うには、ドキュメントの言語を日本語(または中国語・韓国語)に設定するか、システムの優先言語に加えておきます(macOS 全体の表示言語を日本語にする必要はありません)。
- 向く人:純正・無料で、縦書きから電子書籍(EPUB)まで作りたい人
- 弱点:ワープロ寄りで、長編エディタとしての軽快さやプロジェクト管理は中程度
Word + Copilot
すでに Office を使っているなら、新たにアプリを増やさずに済みます。Word は古くから縦書きに対応しており、Copilot で作成・要約・編集・翻訳を日本語の指示で行えます。「縦書き+汎用 AI」を1つの環境で使える数少ない組み合わせです。
書き出しは .docx を中心に PDF やプレーンテキストに対応します。ただし Copilot は縦書き専用ではなく、汎用アシスタントです。料金は Microsoft 365 のサブスクリプションに含まれます(プランによっては Copilot が追加オプション扱いになる場合があります)。
- 向く人:Office 中心で、縦書きも汎用 AI もまとめて使いたい人
- 弱点:作品全体を読み込んだ創作相談には向きません
Core
Core は、縦書きの執筆を中心に据えた Mac ネイティブのエディタです。自作の組版エンジンで、縦中横・ルビ・傍点・禁則処理・原稿用紙表示まで対応し、縦組みのまま直接編集できます。用紙や罫線の色、マス目の字詰めも作品ごとに設定できます。章立てで長編を書き進めるためのプロジェクト管理も備えるので、まず縦書きで書き続けたい人にも、本の形まで仕上げたい人にも応えます。
書き出しは出口の広さが強みです。PDF・Word(.docx)・EPUB・プレーンテキストに書き出せ、PDF は判型・余白・原稿用紙の升目まで指定できます。加えて、note・小説家になろう・カクヨム・pixiv 向けの投稿記法をクリップボードにコピーできます。書く・整える・出すまでを1つのアプリで完結させられます。
AI は同梱で、API キーの用意なしに使えます。特徴は、AI が原稿全体を読んだ上で相談に乗る点です。章をまたいだ設定の食い違いを拾ったり、作品を踏まえた批評を返したりします。国立国会図書館サーチや Web 検索を使って、資料にあたりながら相談することもできます。原稿は手元に保存され、AI の学習には使われません。料金は pro が月1,200円(2週間の無料トライアル付き)です。
- 向く人:縦組みで本格的に書きたい人。投稿サイト・電子書籍・入稿 PDF まで1本で出したい人。作品全体を読む AI にも相談したい人
- 弱点:現在は macOS 向け(iOS 版は開発中)
用途別の選び方
- まず縦書きで気持ちよく書ければいい、iPhone でも書きたい → 縦式
- 無料で軽い縦書きテキストエディタがほしい → mi
- 純正・無料で、縦書きから EPUB まで作りたい → Apple Pages
- Windows や Android など複数 OS で同じ原稿を触りたい → TATEditor
- とにかく組版品質を最優先したい、買い切りがいい → egword Universal 2
- Office 中心で、縦書きも汎用 AI も使いたい → Word + Copilot
- 縦組みで長編を書き進めたい。必要なら投稿サイト・EPUB・PDF まで1つで出したい → Core
よくある質問
Q. ただ縦書きで気持ちよく書きたいだけなら、どれがいいですか? A. 出力や組版を気にせず、まず縦組みのまま快適に書きたいなら、身軽な縦式や、無料で軽い mi、純正で手元にある Apple Pages から試すのが手軽です。長編を章立てで書き進めたい場合は、プロジェクト管理を備えた Core が向きます。
Q. 編集画面が縦書きのまま書けるアプリはどれですか? A. この記事で挙げた7本(縦式・TATEditor・egword Universal 2・mi・Apple Pages・Word・Core)は、いずれも縦組みのまま編集できます。
Q. 縦中横やルビ、原稿用紙まで本格的に組めるのはどれですか? A. 組版品質では egword Universal 2 が最も手厚く、Core も縦中横・ルビ・傍点・原稿用紙表示に対応します。縦式も青空文庫形式でルビ・傍点・縦中横を扱え、原稿用紙の PDF 出力に強みがあります。
Q. EPUB や投稿サイトの形式で書き出せるのはどれですか? A. EPUB(電子書籍)は Apple Pages と Core が書き出せます。なろう・カクヨム・pixiv・note などの投稿記法へ変換できるのは Core です。同人誌向けの多彩な判型 PDF なら縦式、Word・RTF での清書なら egword Universal 2 が強みを持ちます。
Q. InDesign を使わずに、同人誌や Zine の入稿用 PDF を作れますか? A. 縦式は新書判や折本などの判型 PDF に強く、egword Universal 2 と Core は判型を指定した PDF を書き出せます。Apple Pages は EPUB や印刷用 PDF を作れます。多くの同人誌・Zine・電子書籍はこれらで仕上げられますが、トンボや CMYK が求められる本格的な商業入稿では、専用の DTP ソフトが必要になる場面もあります。
Q. 無料で使える縦書きエディタはどれですか? A. 縦式(無料+App 内課金)、TATEditor(無料)、mi(無料)、Apple Pages(純正・無料)が無料で使えます。
まとめ
「縦書き対応」とひとくくりにされがちですが、書く・整える・出すのどこまでをカバーするかはツールで大きく変わります。自分の目的に必要な範囲で選んでください。
そのすべてを1本でまかない、作品全体を読む AI にも相談したいなら、Core が有力です。
個別ツールとの詳しい比較は比較ページに、AI の関わり方で選びたい場合はAI を内蔵した執筆エディタの比較記事にまとめています。